ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2006年01月11日
 野球しようぜ! 4 (4)

 いわさわ正泰『野球しようぜ!』は、4巻目にして、ふたつの困難にぶつかってしまっているな、と思う。ひとつは、団体競技を扱ったスポーツ・マンガは大会がはじまってからが難しい、というのと、もうひとつは、天才を物語のなかでうまく転がしてゆくのは難しい、ということである。前者は、つまり、勝ち上がればその分だけライバルを増やさなければならない、要するに、新規のキャラクターをストーリーのなかに投入し続ける必要が出てくるうえ、その人物が魅力に乏しい、ショボかったりすれば、当然のように、おもしろみは半減してしまうわけだ。1年生ながら、鷹津高校野球部のレギュラーに決まった天は、いよいよ開催する県大会に心を躍らせる。初戦(鷹津はシード高なので、実質上の2回戦)の相手は、するどいカーブを投げるピッチャー平澤祐輔を擁する多葉高校であった。はたして鷹津打線は、平澤の球をとらえることができるのだろうか。という感じなのであるが、いやあ、平澤くん、1回戦で7回12奪三振という成績を出していたわりには、すこし、噛ませ犬すぎるだろ。さらには、平澤を打ち崩すにあたって、天の才能が遺憾なく発揮されているとは言い難い、そのため逆転劇のダイナミズムが薄れてしまったのは、もったいない。もしかすると作者は、ここで、鷹津高と多葉高の対比をからめ、チームプレーに関する部分を引き出したかったのかもしれないが、結果、もともと天然さんなところのある天が、ただの傍迷惑な困ったさんにしか過ぎなくなってしまっている。その天才性が、残念ながら、試合のなかでは、生かされていないのである。僕は、自分の才能に無自覚な天才が、いかに周囲を巻き込んでゆくのか、を、このマンガの要点として見ているので、そこがちょっとね。とはいえ、平澤が心を入れ替え、タバコを捨てるシーンは、まあまあ。で、3回戦にかなりの強豪が用意されているっぽいので、次巻以降の展開にこそ期待したい。ところで、義父が新聞で天が野球をやっていることを知るシーン、あれは伏線になるのかな、彼が黙っているのは優しさなのだろう、それと関連して、今後、義母との関係がどう動くのかも、ちょいと楽しみなのであった。

 3巻について→こちら
 2巻について→こちら
 1巻について→こちら


posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ(06年)
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