ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2009年03月04日
 デス・スウィーパー (5) (KADOKAWA CHARGE COMICS 2-8)

 雑誌掲載の時点で、この結末を読んでいたので、さすがに驚くということもなかったが、しかし、たいへん残念エンドであることには変わりない。まあ、発表先である『コミックチャージ』自体が休刊の憂き目にあってしまった以上、作品も共倒れするよりほかなかったのなら仕方がないし、そう考えるとしたならば、終盤、象徴的に挿入される〈自然の猛威の前では人類など塵に等しい――――〉というモノローグは、なにか、アイロニーを抱えているふうにも思われてくる。不断な時勢の前にはマンガ家個人など無力に等しいのかもしれない。きたがわ翔の『デス・スウィーパー』、完結編の5巻である。正直なところ、どこまで作者の構想どおり、描かれているのかは不明であるけれども、生と死を見つめていたようなテーマが、大災害を通じ、抽象的なイメージに落とし込まれてゆくラストは、あまりよく締まっているとはいえないだろう。江藤淳の自殺に影響された人物の死からはじまり、カルト教団めいた存在の介入や、大都市を壊滅させる震災を経て、訪れたカタストロフィのなか、オタクふうの容貌をした男性に〈この世の終わりだよ この世の終わり!! ずっとこんな日がやって来る事を待ってたんだ!! 金持ちでいばりくさってるヤツも イケメンで女とやりまくってる男も 死んじまえば 皆 同じ!! こんな理不尽な世界は とっとと消えてなくなっちまえ――――!!〉と叫ばせていることから、ある意味で、90年代よりこちらの現代日本を総括する、そのような野心を物語の背景に置いていたことがうかがえもするが、それもまたうまくいっていない気がする。以前にも述べたけれど、そうした概要であったり、角川書店の雑誌で描かれていたりすることなどを踏まえるにつけ、ほんとうにこれ、大塚英志がタッチしていないのかしら、という、どうでもいい疑問だけが、胸中に生じるのみである。

 4巻について→こちら
 1巻について→こちら

・その他きたがわ翔に関する文章
 『刑事が一匹』
  7巻について→こちら
  6巻について→こちら
  5巻について→こちら
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ(09年)
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