
おうおう、こいつははりきっているなあ、といった感じを、VICTIMSの、DEATHWISHレーベルよりリリースされた通算4作目となるフル・アルバム『KILLER』からは受けるのであったが、いやいや、じつはこのバンドを耳にするのははじめてのことなのだけれども、なるほど、巷では同じスウェーデンのDISFEARあたりが引き合いに出されるのも納得がいく、超剛速球型のハードコアをぶんぶん鳴らしている。何はともあれ、かっこういいですぜ、旦那、と言いたい。どうやらメンバーにはACURSEDやNASUMの面子が参加しているらしいが、それらに比べると、印象は、圧倒的にシンプル、かつパンキッシュであり、轟々とロックン・ロールのロールを回す。その無骨であるスピードにMOTERHEADやDISCHARGEのエッセンスを聴きとることも可能であろう。どのナンバーも1分、2分程度で駆け抜けるなか、響き渡るギターのフレイヴァーは、あんがいオーソドックスにロックしているのであって、奇抜な発想なんて知ったこっちゃないよといわんばかり、質実剛健と喩えるのに相応しいダイナミックなうねりを、がしがしと叩きつけてくる。要は、ガッツにあふれている。そしてそれが、たいへんさまになっているのである。こういうサウンドは、結局のところ、ファースト・インプレッションですべてが決まる。一瞬で、おお、と引き込まれたなら、もうほとんど最後の最後まで裏切ることがない。まさしくそのとおりの、実例の一つとして、これを数えられる。
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