ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2009年02月08日
 前巻(13巻)には、とてもプロの仕業とは思えない困ったカットが満載で、ああ、ほんとうに永田晃一はだめなんじゃねえかな、という気にさせられてしまった『Hey!リキ』であるが、さすがにまずいとの自覚があったのか、この14巻では、やや復調してきている。まじでひどかったんだから。まさか、あれ、ギャグだったんじゃあるまいね。と、まあ、それはともかく。いろいろと悶着のあった先輩連中が卒業、学校を去っていき、主人公である早乙女リキとその仲間たちはみな、無事に三年に進級することができた。そのようなくだりを経て、ここでは、花椿高校の新入生たちによる誰がトップに相応しいか、の自発的なトーナメントが繰り広げられる。要するに、この手の作品の節代わりに、お約束の展開である。しかし、そうした様式性に寄りかかっているおかげで、勝者と敗者とを分けるモーメントを含め、それなり見所の用意された内容をキープすることはできている。にしても指摘しておけなければならないのは、やはり、登場人物たちのドラマが、生まれや育ちによってのみ、補強されてしまっている点だろう。すなわち、家庭環境が悪いと必ずや不良になる、式の真面目くさったPTA的なロジックと、じつは同根でしかない。もちろんそこから、不良にしかなれなかった人間が必ずしも悪とはかぎらない、といった帰結にまで持って行くことが、作品のテーマにかかる部分なのだとは思われる。なのに問題は、関係性の描写などをすっ飛ばし、自己完結形のポエムで、物語のすべてを代替してしまおうとすることなんだよな。黒地に白抜きで綴られるモノローグがもしも、魚喃キリコや安彦麻理絵の影響だったら、ぶったまげる。いや、それはないない。

 12巻について→こちら
 10巻について→こちら
 9巻について→こちら
 
 『ランディーズ 完全版』について→こちら
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ(09年)
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