
アイルランド出身の4人組、THE ANSWERのセカンド・アルバム『EVERYDAY DAMONS』は、なるほどなるほど、ほうぼうの音楽誌でなかなかの評価を得ているのも納得がいくような、とてもよく出来たハード・ロックであり、きっちりとした安心感のある、じつに優等生的な内容だけれども、翻って、クセになってしまうポイントのすくない気がしてしまうのが悔しい。まあ、06年のデビュー・アルバム『RISE』で示された方向性を違えず、迷わず、完成度に向けて、仕上げていったら、こうなるだろうね、という意味では、さすがのラインを越えている。しかし総体的な印象は、もっぱらヴォーカルの歌いっぷりによっていて、それ以外の部分が、あまりチャーミングには思われない。せめて強烈なリフが一本でもあれば、という物足りなさがある。たしかに、演奏力、ソング・ライティングの能力ともに高いレベルにはあるのだろう。サウンドに一体感もある。たぶんガッツもある。だが、ブルーズやブギーを基調とし、グルーヴのねられたハード・ロックの枠組みから、こう、溢れ出して堪らないものがない。スタイルの旧いや新しいをいっているのではない。そのスタイル自体を見直させるほどのスイッチが、クオリティ以外のどこにも備わっていないのである。と、これはそのまま前作のときの感想といっしょになった。
『RISE』について→こちら
バンドのオフィシャル・サイト→こちら