ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2009年02月01日
 Ghost of the Salt Water Machines

 演奏技術や音響技術にとどまらぬ、おっかなくて、いかつい情念が、楽器のするどいうねり、ぎざぎざのノイズ、そして憤怒の叫びから聴こえてくるとき、おののきながら、揺さぶられ、自然にこう、突き動かされるものがある。血が騒ぐ、そればかりではない。首根っこを引っ掴まれて、おい、おまえ、と荒げられた声に、つよい意志をあてられたかのよう、しゃんとした気分にさせられる。米ニューヨーク州、シラキュース出身のヘヴィ・ロック・バンド、ARCHITECTのセカンド・アルバム『GHOST OF THE SALT WATER MACHINES』は、まさしく、そうしたインパクトを宿す。擬音化して言うなら、ごりごりであって、ぐらぐらであり、がしがしである。いや、07年の前作『ALL IN NOT LOST』も、かなりの迫力に満ちた内容であったが、これもまたその印象を違えない。どころか、もしかすれば、さらにしのぎ、力み、盛っていて、気圧される。しびれる。楽曲の構成は基本的に、はげしいリズム・チェンジをバネとし、夥しいまでに荒れ狂うエネルギーをないまぜ、驀進、繰り出すことを主眼にしており、テンションはすさまじく高いけれど、それらは必ずしもテンポの速さと結びつき、あらわれているものではない。冒頭の「CAMELOT IN SMITHEREENS」からしてあきらかなとおり、禍々しく重々しいグルーヴを引きずるなか、けわしい不協和を凝らすことに、大部分、費やされている。おそらくは『ALL IN NOT LOST』にも増して、スローなパートの比重はおおきくなった。反復するリフのパターン、ベースのラインには、ところどころ、ドゥームやスラッジにも近しい手ざわりがある。にもかかわらず、体感としては、まるで急かされているみたいだ、ひどく緊張を強いられる。ベクトルはあくまでも、粉砕と破壊のアートに傾き、攻撃のイメージをいっさい、ゆるめることがないのである。そして、フラストレーションをぐしゃぐしゃに、たえず絶唱するヴォーカルも、すばらしく、訴えるね。全編、がつんとくる。突き動かされて、脈打ち、たまらなくなる。

 『ALL IN NOT LOST』について→こちら

 バンドのMySpace→こちら
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽(09年)
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