ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2009年01月14日
 にしても、ユタの耳、でっけえなあ。いや、総じて登場人物たちの耳はおおきく描かれているのだけれども、ユタのそれは並はずれている。しかしながら、決して所十三のデザインが狂っているというのではないだろう。恐竜と人類とが同居する架空の進化史において、ユタの耳のでかさに託されているのは、おそらく、哺乳類の、たとえば戯画においてサルやネズミの耳がおおきく示されるような、イメージの端的なデフォルメであり、同時に“竜の言葉を解する者”としてその心の声を聞くことができるという、物語の主人公に備わった特殊能力を表象しているものだと考えられる。このことに対するヒントが、『竜の国のユタ』改め『D-ZOIC』の3巻には存在している。はからずもヒトモドキと共感し、その生態をくわしく知ったユタによって告げられたことが、〈サウロアントロプスにおける“ティタノイデス” サウロモスにおける“エルフォイデス” そしてサウロピテクスにおける“フェアロイデス”が生まれ やがて“劣化”していく理由――…否!! それは“劣化”ではない〉という希望を、ゴッロにもたらす場面である。ヒトモドキ(擬人)は、自らに訪れる異変を、劣化と見、忌み嫌う。それはまず、身体において顕著であると、作中では表現されている。もちろん、劣化と呼ばれる現象が、じつはそうではないとしたら、いったい何を意味するのか、現在のところまだ、におわされるかたちでしか、読み手には教えられていない、あくまでも明確にはなっていないので、〈だからその“答え合わせ”のためにもボクは “降臨の地”へ行かなくてはならないんです〉と、ユタは、いよいよ主人公らしい決意を固め、物語はもう一歩、前へ進んでいるわけだが、そこでヒトモドキの容姿を特徴づけるのにさいし、働いている作画上の理念が、すでに述べたとおり、ユタの耳のおおきさにも反映されている。さらには、ユタが悪夢のなかで感知する冥王の、邪悪な三つ目も、同様の技法から発想されているに違いない。そのような細部に至るまで、じつはちゃんと設計されている。読ませる。

 2巻について→こちら 

・『白亜紀恐竜奇譚 竜の国のユタ』
  8巻について→こちら
  7巻について→こちら
  5巻について→こちら
  4巻について→こちら
  1巻について→こちら


posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ(09年)
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