ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2008年12月26日
 青春と恋愛はときにイコールとなる。藤沢志月の『キミのとなりで青春中。』の、タイトルで指されているのも、つまりは恋愛のことなのだろうが、しかし、この1巻に描かれている内容は、さすがにちょっと紋切り型すぎるのでは、という気がしてしまう。美羽の高校にやって来た転校生のイケメンさんは、3年前にアメリカに引っ越していった幼馴染みの慶太であった。久々に再会した彼は、かつて美羽に告白し、そして茶化され、ふられてしまった過去など、もう、覚えていないみたいだ。けれども美羽のほうは、今さら、慶太のことを好きな自分に気づき、困惑する。要するに、以前は家族のように親しかった男女が、思春期に入り、お互いを異性として意識するあまり、牽制し合う、そうしたシチュエーションに対し、ステレオ・タイプの印象を持つのであって、さらにはその、恋愛マンガの系では、ありふれたシチュエーションのなかに描かれるヒロインのときめきにも、際だって特徴的な面が、薄く、あるかないかぐらいにしか、感じられないのである。事細かなモノローグはたしかにデリケートな内面をよくあらわし、花火や大空の背景をヤマ場に持ってくる演出は相応の効果をあげており、ロマンティックなラヴ・コメディとしての落ち度があるわけではないにしても、それが他の作家や他の作品と比べ、ことさらすぐれたものであるのかどうかの点において、いささか疑問を残す。

・その他藤沢志月に関する文章
 『ラブファイター!』
  2巻について→こちら
  1巻について→こちら
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ(08年)
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