
僕的に、05年、バッド・ボーイズ系ロックン・ロールの本命は、アメリカのBUCKCHERRYでも、スウェーデンのHARDCORE SUPERSTARでもなく、カナダのTHE BLACK HALOS(ブラック・ヘイローズ)であったかもしれない。いや、彼らのサード・アルバムにあたる『ALIVE WITHOUT CONTROL』は当りだっただろ。日本盤も出たセカンド『THE VIOLENT YEARS』から4年もの月日が経ってしまい、レーベルはSUB POPからBACKYARD BABIESやHELLACOPTERSのアメリカ配給を手がけるLIQUR AND POKERに移っている、その間に、バンドの中心人物でもあったギターが脱退し、それとベースもメンバー・チェンジした模様であるが、しかし、パンクとグラムをシャッフルしたかのようなサウンドの基本線に変更はなく、びしばしとエネルギーの鋭角に入ったロックン・ロールを走らせている。まあ、クリシェといえばクリシェなんだけれども、それを徹底することで、けっこうな麗しさを獲得しているのであった。プロデュースは、前作同様にジャック・エンディーノが担当しており、ドラムの乾いた響きに象徴的な、感覚先行型のラフな音録りが、演奏の粗い部分を、旨味として、うまく引き立て、しゃがれ気味な声質でうたうヴォーカルも、相変わらず雰囲気があって、よろしい。まさにレッツゴー!ではじまる1曲目「THREE SHEETS TO THE WIND」からして、アクセルをベタ踏みの勢いである。全体の印象でいえば、すこしばかり、ダークなトーンが増した気がしないでもない。それこそ、憂いと影を帯びたパラー・バラード調の5曲目「MIRRORMAN」などは、これまでになかった新機軸だろう。しかし、それが結果として、濃くと深み、タフさとハードさの度合いを強めているみたいだ。メロトロンの憂鬱な音色をキックし、やがて「おーおーお・お」というコーラスのはじける8曲目「TIGHT」や、続く9曲目「BROKEN」の、攻撃的なギターのリフは、焦燥と切迫のなかにあって、退屈なテンポを脇に払いのける。
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