ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2008年11月25日
 チャイニーズ・デモクラシー

 ないない、と思っていたはずが、じっさいにありえてしまったときほど戸惑いを覚えることもないのだが、GUNS N' ROSESのニュー・アルバム『CHINESE DEMOCRACY』は、まさにそんな印象を持った作品だといえる。まず、出ないだろう、と踏んでいたのがリリースされてしまったのがそうだし、次いで、もしも出たとしたって微妙な内容に決まってらあ、と睨んでいたのが、いやいや、意外とけっこう良いんじゃねえか、これ、と感じられたのもそうである。もちろん、この十数年間、つねに期待値の高さが話題となっていたバンドだから、どうしても不満を抱いてしまう向きはあるに違いない。しかし、ガンズに比肩するクラスで現在も活動を続けるベテランたち、たとえばMETALLICAやRED HOT CHILI PEPPERSの、ここ最近のものと並べてみても決して見劣りがしないどころか、ぜんぜん、いけている。あるいは、それだけのクオリティに持ってくるまで、膨大な試行錯誤と制作期間が必要だったのかもしれない。また、2曲目の「SHACKLER'S REVENGE」にはレッチリの「OTHERSIDE」の、5曲目の「IF THE WORLD」にはメタリカの「THE MEMORY REMAINS」の、どことない残響を感じられたりするのも、まめなリサーチの結果なのかもしれない。基本的には、91年の『USE YOUR ILLUSION』シリーズに顕著であったアクセル・ローズの、ノイローゼふうでもある、大作主義的な傾向が、長尺であることよりも、ひとまとまりにおける多重構成の濃さ、緻密さを追求するかたちへ、翻り、変容し、そのおかげでやたら大仰にも聴こえてくるようなサウンドが、売りになっている。アングリーでアグレッシヴなアジテーションの魅力はほとんどない。そのかわり、くせのあるヴォーカルが、ドラマティックなメロディが、デジタル時代の恩恵が贅沢な音数の使用に費やされた演奏のなかで、質量のともなったはったりを実現させている。
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽(08年)
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