ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2005年12月23日
 ラヴ(LOVE)

 前半部分がつまらないというのは致命的であるけれども、7曲目ぐらいからよくなってくる。9曲目以降は、まずまずの聴き応えだろう。とはいえアルバム単位でみると、ぎりぎりで及第点といったところで、ちょっと困った。ヌーノ・ベッテンコートという人にかける、僕の期待値はけっこう高いのである。それはべつにEXTREME(エクストリーム)のハードコアなファンだったというのではなくて、とりたててヌーノ・イズ・マイ・ギター・ヒーローと崇め立てているのでもない。むしろソロ・キャリアをスタートさせてからの執心で、メロウなポップ・ソング・メイカーとしての秀逸さには、ほんとうに惚れ惚れする、一目置いてきたのであった。97年のNUNO名義での作品『SCHIZOPHONIC(スキゾフォニック)』に収められた「CRAVE」や「PURSUIT OF HAPPINESS」、「CONFROTATION」、98年にバンド体制となったセカンド『MORNING WIDOWS』なら、「HOTEL ASYLUM」とか「TOO LATE」なんかが、僕にとってはジャストの線で、ひどくそのサウンドに浸る、そういった意味でいうと、このDRAMAGODS(ドラマゴッズ)としてのニュー・スタートである通算5作目『LOVE』は、やや面白味に欠ける、総体的にフックが弱いというか、ゴツゴツとした感触の、適度にヘヴィでグルーヴィーな、反復するリズムを生かした楽曲のつくりと演奏さ加減は、たしかに「らしく」あり、ライヴ映えしそうではある、身体への訴えかけを狙ったものだろうけれども、メロディの語彙が著しいほどに乏しく、ぐらんと心が揺れるようなカタルシスが見当たらない。展開を追いかけていった先に、コーラスの部分でついに感情移入できない点が、痛し痒しなのだ。制作時に出来うるかぎり他者を介在させなかった前作『POPULATION 1』から、複数人でのプレイにこだわる本作への移行は、『SCHIZOPHONIC』と『MORNING WIDOWS』の間にあったシフト・チェンジを思い起こさせるが、『MORNING WIDOWS』ぐらいにキャッチーさをヴォーカルに託しているわけでもなく、しかもリフやリズムの面においても、バンド仕様という部分が逆に災いしたのか、ヒネリが足りなく、引っ掛かりにくい、ドラムとベースがちょっと、補助線としてはオーケーでも、それ自体のインパクトが、単調さのなかに、存在感を薄めている。そのせいで、多くのナンバーが、すこし冗長に感じられた。ただ曲単位でみると、「HEY!」といったアジテーションがメロウなトーンのなかで跳ねる9曲目「FEARLESS READER」、浮遊感を煽るキーボードを基調にきわめてシンプルな装いのバラードである10曲目「SOMETIMES」、あくまでも楽器隊が歌の裏側に回った11曲目「SO'K」あたりは、すっごくいい感じにフィットする。そこまで待って、こういうのが聴きたかったのだと、やっと思える。要するに並びがいかんのかもしれないね。
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽。
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