ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2008年11月06日
 ARASHI(嵐)のニュー・シングル『beautiful days』の通常盤に収められた3曲(初回限定盤に入っているのはそのうち2曲)は、それぞれべつの作詞作曲者を迎えて制作されているのだけれど、どのナンバーも、叶わなかった願いが、ミドルからアップにあがっていくテンポのなかで歌われ、まるで希望となり夢となり未来となっていくかのような、前向きな目線へと反転させられている、という点において共通している。しかしそれってじつは、99年のデビュー曲である「A・RA・SHI」の頃から、ARASHIというグループに託されたメッセージでもあるのではないか。つまり〈涙だって・そうさ明日のエナジー〉になりうる可能性を一貫して、追い求める力強さや逞しさのキープされていることが、00(ゼロ)年代を通じ、まさしく彼らを、この国のエンターテイメントのシーンにおけるトップ・スターにまでのぼらせていった原動力なのだと思う。がんばれ、負けるな、と不特定多数の誰かたちを励ますのでもなく、恨めしい、妬ましい、と個人的なルサンチマンをネガティヴに抱えるのでもなく、ささやかな「きみとぼく」の物語を開き、おおきく拡げていく内側に、必ずや夢見られる希望と未来がある、との信念を蓄えることで、通称「失われた10年」に訣別を告げ、なおかつ新世紀のあかるい面の、ちょうど真ん中にすっぽりと収まってみせたのである。前シングルの『truth / 風の向こうへ』によって誇示されたハイ・クオリティ、そして写真集『ARASHI IS ALIVE!』に付属されたCD「Re(mark)able」で高らかに宣誓された快進撃と「再発」の意志、すでに照準は2010年代に合わさっているのだろう、さらなる次の一手として『beautiful days』は十二分以上の役割を果たしている。表題曲の「beautiful days」にも、続く「僕が僕のすべて」にも、通常盤のみ収録の「忘れられない」にも、残念ながら櫻井くんの、あの、つよいフックたるラップは含まれていない。そうした意味では、やや薄口な印象ではあるものの、いやいや、先述したとおり、どのナンバーもミドルからアップにあがっていくテンポを重視し、もうすこしスローに落とされたならば切ないバラードになってしまいそうな心情を、励まし、フォローする、良質なポップ・ソングに仕上がっている。また曲調は異なれども、ストリングスを加えていくアレンジとドラム・パートのつくるリズムには「One Love」や「truth」からの連続性を感じられ、そうしたあたりに、現在のARASHIの、音楽面における方向性がうかがえもする。個人的には、冬の別れがなぜかやさしく聴こえる「忘れられない」に、たまらないものがあるな。ただし最初のほうに挿入される管楽器のソロは、ちょっと間抜けに思えるので要らなかったんじゃねえか、という気がした。ああ、そうそう、通常盤6曲目「忘れられない」のカラオケ・ヴァージョンのあと、じつはメンバーたちによる焼肉を食しながらの30分を越えるトークが入っている。このたびのアジア・ツアーをメインに今年一年を振り返るかのような内容は、リラックスした雰囲気が楽しく、たいへん和む。

 『truth / 風の向こうへ』について→こちら
 『Dream“A”live』について→こちら
 『One』について→こちら
 『いざッ、NOW』について→こちら

 9月6日『arashi marks ARASHI AROUND ASIA 2008 in TOKYO』について→こちら
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽(08年)
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