ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2008年10月26日
 The An Albatross Family Album

 00年代の現在に突然発狂したCAPTAIN BEYONDか、あるいはTHE LOCUSTによる70年代ハード・ロックの再現か、いやいや、さらにはファンキーでもありジャジーでもありプログレッシヴでもあるそのサウンドは、であるがゆえに混沌とし、しかし、かのような混沌にイニシアティブをとられてたまるもんか、とでも言いたげなアジテーションに溢れて、たいへん我が儘な興奮を打ち鳴らす。米ペンシルヴァニア州フィラデルフィア出身のアヴァンコア・アクト、AN ALBATROSSのニュー・アルバム『THE AN ALBATROSS FAMILY ALBUM』は、06年の前作『BLESSPHEMY (Of The Peace Beast Feastgiver And The Bear Warp Kumite)』の路線を受け継ぎながら、一曲一曲の整合性にあたる箇所を、ぐっ、と高めており、たとえばちょっとしたフレーズや、楽器間のアンサンブルによって練り上げられたダイナミズムなどから、このバンドの硬い部分が、ぐぐっ、と前面に出てきたことをうかがわせもする。エレクトリックなノイズのなか、サキソフォンやハモンド・オルガンの挿入が見事に決まり、じつにエキサイティングなのも、基盤のしっかりと固まっているためである。そうして、掴みどころがわかりやすくなったぶん、とても聴きやすくなった。が、もちろん、短いスパンで急展開する構成のせわしないあり方や、ぎゃんぎゃん叫ぶヴォーカルのスタイルからは、依然、アンチ・マナーの勢いが導き出されている。この作品からバンドは、所属先を、THURSDAYと馴染み深く、MY CHEMICAL ROMANCEを輩出したことで知られるEYEBALL RECORDSに移しているけれど、現在のレーベルを代表するTHE NUMBER TWELVE LOOKS LIKE YOUやKISS KISSといったカオティック勢と比べてみたところで、個性、クオリティともに、抜群のものを発揮しているし、あらゆる傾向のこれだけ出揃ったシーン全体から捉まえてみても、非凡なほどにラディカルな魅力を備えている。後半の流れが、すさまじく、かっこうよい。とくにラストの手前、8曲目の「THE ELECTRIC PROLETARIAT RIDES A VELVET CHARIOT」が、最高潮に燃えるだろ。高速域で攪拌される旋律の歪み、スクリーム、スクリーム、演奏の盛り上がりはやがて、スペーシーなトラッキンのジャムを大々的に繰り広げはじめる。怒濤の喩えの相応しいぐらい、激しい、やかましい。

 『BLESSPHEMY』について→こちら

 バンドのオフィシャル・サイト→こちら
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽(08年)
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