ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2008年10月02日
 United Nations

 叫ぶ声、騒音、世界はこんなにも憂鬱に満ちているんだぞ。UNITED NATIONSという、ずいぶんなグループ名が何を意図しているのか、どのようなコンセプトを持っているのかは知らないけれども、アグレッシヴさ加減全開のサウンドには、やられる、昂ぶる、熱くなる、かあっとなるのはカロリーが費やされているからで、すなわち生きていることを感じさせる。いちおうは覆面の匿名集団ということになっているが、THURSDAYのジェフ・リックリィやGLASSJAWのダリル・パルンボが在籍しているらしい。らしい、とはいっても、ジェフなんかはさ、じつにハンサムな声質とヴォーカルのスタイルで、間違いなく、彼だとわかる。しかしながら、このアルバム『UNITED NATIONS』で聴くことのできる歌唱は、近年のTHURSDAYに比してずっと激しく、前のめり、つんのめっている。そこに被さり、衝動性を倍加し、高めるスクリームが、ダリルのものであろうか。いや、こいつもかなり荒ぶっているのだ。アグリーであり、アングリーであり、強烈なフラストレーションを抱え、持て余しているかのよう。二者の叫びが、轟音をともない緊急に展開する楽曲へ、過剰なエモーションを注ぎ込む。ゼ☆#%◎※ッー! ワン・トゥ・スリ・フォ!と、いきなりくる1曲目「THE SPINNING HEART OF THE YO-YO LOBBY」の冒頭からして、もう大絶叫大会の装いである。まるで、炎上真っ直中の火事場でやれるだけのことをやらねば、死ぬ、という勢いである。しかして、切羽詰まっていることが未曾有のリアリズムにも思えてくるのである。もちろん、彼ら以外のメンバーだって、負けじと気迫を備え、これに臨んでいることは、破壊力に換算するのが相応しい演奏から、十二分伝わる。あたかもチキン・レースの様相で、めいっぱいアクセルを踏み、踏み込み、スパークし、クラッシュする寸前、するどいターンを切る、とたん反動は激しく、重低音の軋むグルーヴを生じさせる。アコースティックのギターとエレクトリックなノイズをスイッチングする7曲目の「FILMED IN FRONT OF A LIVE STUDIO AUDIENCE」や、アウトロにサキソフォンを用いた11曲目の「SAY GOODBYE TO GENERAL FIGMENT OF THE USS IMAGINATION」など、メロウな気分もあるにはあるが、それらはしかし、壮絶さのどこかで、ぐしゃぐしゃに歪まされた哀愁だろう。おい、おまえ、世界はこんなにも憂鬱に満ちているんぞ。とにもかくにも、極端にいきり立ったハードコアが全編を覆い尽くし、鮮明な直情を描く。滾る。

 バンドのオフィシャル・サイト→こちら
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽(08年)
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