ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2008年09月30日
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 じつは『ヤングチャンピオン漢(オトコ)』Vol.1に掲載されている作品のなかでは、この吉沢潤一の『ボーイミーツガール』を、いちばんおもしろく読んだ。たぶん、ギャグ・マンガに分類される。くわしく検証したわけではないので、いや誰か、熱心な研究者か余程の暇人に調査してもらいたいところなのだけれども、おそらく今日というのは、「漢(おとこ)」なる言い回しが、この国の歴史においてもっともポピュラーになった時代だ、と思われる。「男」ではなくて、わざわざ「漢」と表記し直される行為は、ネタであれ、マジであれ、さまざまな方面で見かけることができる。しかしながら翻ってそれは、「漢」という語に託されているはずの価値がさがっているからなのではないか。「漢」とは何か、こうした問いや思想をすっ飛ばしたところで使われている、使うことに抵抗がなくなっているがゆえに、ある種の気軽さを持つにいたっている。もちろん、そこで起こっている意味の空無化を指し、アイロニーなどといってみせることも可能には違いない。だが、アイロニーというほど立派なもんか、というのが、たいていである。そうした状況下において、『ボーイミーツガール』は、本来なら「漢」と表されても良さそうな威厳を、あえて不様に、見事なギャグへと転がしているので、高く買える(作中に「漢」の文字は見つけられないものの「漢」と名付けられた雑誌に載っていることが重要だろう)。内容からして、話の筋を説明しても仕方がないところがあるのだけれども、大規模なヤクザの会長が、渋谷の路上で、座り込んでいるギャルのパンツに目が向いてしまったため、彼女から因縁をつけられ、最高潮にギャップのあるコミュニケーションによって圧倒される、というもので、たいへん頭の悪そうなやりとりと、その間の置き方が絶妙である。
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ(08年)
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