ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2004年11月18日
 加藤典洋には『みじかい文章』という本があるが、これは、それに近い、それほど長くがっちりとしているわけではない批評の集まりである。主に近代を扱った「耳を澄ませば」、主に現代にとりくんだ「21世紀的な考え方」、ここ最近の書評「新刊本を読む」、回想的かつエッセイ調の「意中の人びと」と「日々の愉しみ」の、5つの節に分かれていて、そのなかで、おもしろく読めたのは「耳を澄ませば」と「意中の人びと」であった。それ以外は、正直なところ、あまり乗れなかった(例外的に「21世紀的な考え方」中の吉本ばななに関する文章は良いと思うが)。つまり、多く現代に向き合ったものが詰まらなかった、ということである。そこにはつまり、加藤典洋の射程みたいなものが現われていると思う。近代文学から現代文学にかけて、加藤の感性が素直に反応するのは、おそらく戦後というタームで語ることのできる村上春樹や吉本ばななぐらいまでで、それ以降、テクノロジーの問題を意識的あるいは無意識的に汲んで成り立つ小説、たとえば阿部和重や舞城王太郎などに関しての理解には、距離の隔たりがある旨を中心にして文章が書かれている。や、それが良いとか悪いとかではなくて、この世の事象なんてのは結局、世代的な認識の違いに落ち着いちゃうのかなと、そんな風に僕は思うのであった。
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | 読書。
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