ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2008年09月07日
 昨日(9月6日)に国立競技場にて行われた『arashi marks ARASHI AROUND ASIA 2008 in TOKYO』を観たのであったが、これがもう、文句のつけどころのない完璧なエンターテイメントで、7万人規模のサイズであそこまでの一体感をつくり上げられたら、そりゃあ圧倒されざるをえないだろ。いやいや、とりあえずねえ、と、いきなりくだけた話をするのだけれども、コンサートがはじまってけっこうすぐ、移動式のステージに載った松本くんが目の前に来たんですよ、メロイック・サイン(ひとさし指と小指を突き立てるあれね)をしながら、それでわーっとなってVサインを送ったら、Vサインを返してきてくれたのがとてもとてもうれしく、その瞬間に頭がショートした、ミーハーになった、ほんとだよ、妄想じゃないよ、絶対に目が合ったもの、夢見心地というのはああいうことをいうのか、マツジュン超かっけえ、メロメロ、したがって最初のほうの記憶は完全にぶっ飛んじゃってる。とはいえ、ポップな「Love so sweet」で幕を開け、メンバー五人の合唱で成り立つ楽曲が連続し、序盤の段階ですでに、多幸感あふれ、逃れがたくARASHI(嵐)が持つ魅力に引き込まれてしまったことだけはたしかである。

 「アオゾラペダル」に続いて、相葉くんのソロ・ナンバー「Hello Goodbye」が披露される。「Hello Goodbye」は、今年リリースされたアルバム『Dream”A”live』の初回限定盤のみで聴けるパワー・ポップの佳曲だが、あらためてそのメロディの良さにうっとりする。それが終わると、個人的にはARASHIのベスト・チューンではないかと思っている「素晴らしき世界」が、きた。うおおお。ここの展開はやばい。いったん退場した相葉くんをのぞく四人が、ストゥールに腰掛けながら、ひっそりと暗くなっていく日のなかで、黄昏と希望とをどこまでもやさしくうたいかけてくるんだぜ。屋外というシチュエーションが最高潮に効いている。ちょうど自分のパートが来たところで、相葉くんが復帰、そして〈僕らは泣いて笑って それでも明日を夢見てしまう これからが素晴らしき世界〉である。どんな苛酷さも生きていけるだけのつよさが、全身に漲ってくるような気さえする。

 さわやかに感動が屹立する「Still」、大盛り上がりの「Lucky Man」、大野くんのソロ・ナンバー「Take me faraway」はムーディにせつなく、そして二宮くんのピアノ弾き語り「虹」に会場中が、しん、と聴き入る。もちろん、二宮くんがかけていたメガネを外すお約束のパフォーマンスもたいへんキュートだった。

 「CARNIVAL NAIGHT part2」を経て、MCを挟み、ショーは後半に入っていくのだけれども、ハイライトはむしろそこから先であった。いや、このときこの場のすべてのモーメントがクライマックスにほかならなかったのだが、ARASHIというグループが来年で十周年を迎え、つまり00(ゼロ)年代をパーフェクトに制覇し、あたらしい段階に踏み込んでいく予兆のようなものが、MCをあけて「風の向こうへ」の〈僕の後ろに出来てた道 雨の向こうへ 風の向こうへ 旅は続いていく 今 君の向こうへ そして僕の向こうへ 道は続いていく〉とうたわれるフレーズに集約され、象徴され、じっさい、そのあとの進行に示され、実感されたのである。今年北京にて行われたオリンピックと44年前に今回の会場で行われた東京オリンピックとをリンクさせ、歴史というものに重みがあることを伝えるヴィデオが流れる。そのさいメンバーはステージから消えている。ふたたび、彼らが観客の前に姿を現したとき、目玉が飛び出るかと思った、度肝抜かれた、まさかあそこまでスケールのでかいパフォーマンスが繰り広げられるだなんて。大歓声、ヘヴィなギターのイントロ、会場を見下ろす巨大な聖火台にともった炎をバックに五人が横に並んで「Re(mark)able」鳴り響く。あちこちでパイロが、どん、と火を高くあげる。やばい、このテンションはやばい。「Re(mark)able」は、先般出たばかりの写真集『ARASHI IS ALIVE』に付属されたCD収録のナンバーで、今回のアジア・ツアーのテーマ曲である。原点回帰したかのような、あるいは「COOL & SOUL」パート2ともいえるような、ミクスチャー路線全開のハード・チューンで、五人が全員で担当するラップ・パートの歌詞はぜんぶ櫻井くんが書き、ARASHIの現在の立ち位置を、言い換えるなら過去と未来のあいだに置かれた通過点を、あますことなく、体現する。うはあ、すげえかっこういい。アドレナリンが全面開放させられる。しかし興奮は続く。リフトを使い、地上に降り立つと、ここかあ、ここでくるのか、「Truth」。窒息しそうなくらいのカタルシス、そして「Step and Go」、「a Day in Our Life」と、アンセム・クラスの楽曲が連続していくのだから、まいる。まいるよ。あまりの興奮に目がくらむ。

 バック・バンドの演奏とレスポンスし合いながら、ロックン・ローラーのイメージをなぞらえる松本くんのソロ・ナンバー「Tell me what you wanna be?」もかなり良かったが、やはり個人的には櫻井くんの「Hip Pop Boogie」が好きすぎる。〈大卒のアイドルがタイトルを奪い取る マイク持ちペン持ちタイトルを奪い取る ステージ上終身雇用〉と紡ぎ、〈何か違うと思わないかい? あんな大の大人が 罵り合い大会 なんて僕らは見たくないんだい こうなりゃもう そう咲き乱れる 本業の方々顔しかめる 温室の雑草がマイク持つRAP SONG〉となめらかにラップし、自らのアティテュードを高らかに宣言する様子が勇ましい。

 「A・RA・SHI」や「PIKA★★NCHI DOUBLE」のアップ・テンポな勢いを借りて、本編は締めへと向かっていく。ラスト・ソングは、いまだにヒット中の「One Love」であった。おそらく、売り上げからして今年の邦楽シーンを代表する一曲といっても差し支えがないに違いない以上、じつに納得がいく選曲だろう。無数に輝き、揺れるペンライトが美しい。7万人という、ちょっとした音楽フェスティヴァルをはるかに上回るファンをこうも確実に動員してしまうアーティストの、そのカリスマが、甘やかなメロディとなり、広大な会場中を包み込んでいくみたいだ。当然、だからといって収まりがつくはずもなく、ステージを去っていったメンバーを、大勢の歓声と拍手が呼び戻そうとする。アンコールだ。「感謝カンゲキ雨嵐」だ。〈Smile Again ありがとう Smile Again 泣きながら 生れてきた僕たちは たぶんピンチに強い Smile Again 君がいて Smile Again うれしいよ 言わないけど はじめての 深い いとおしさは嵐〉である。これをはじめとして、新旧の、それこそファンには馴染みの深いナンバーを織り交ぜながら、アンコールもまた激しく盛り上がっていく。このあたりから小粒ではあるが雨がぽつぽつ降りはじめる。だが、それすらもすっかりと熱くなった体温には心地好い。大げさではなく、まるで演出の一部であるかのような錯覚さえ覚える。

 松本くんがにっこり「雨なのにもっと続けて欲しいのか」みたいなことを尋ねれば、観客は、当たり前だろ、と言わんばかりに沸く。どーん、と盛大にあがる花火。濡れたステージ上を楽しげにスライディングするメンバーたち。ほんとうのラスト・ソングは〈Rainy Cloudy Fine Today 今日は今日で終わってしまう Dizzy Crazy Vain Today この苦しみも サヨウナラ サヨウナラ〉という歌詞が、とても印象的な「五里霧中」であった。最後の最後まで、何もかもをばっちりと決めてしまうこのグループはいったい何なのだ。とにかく一夜明けてもまだ、とんでもないものを見た、という想いでいっぱいである。

 『truth / 風の向こうへ』について→こちら
 『Dream“A”live』について→こちら
 『One』について→こちら
 『いざッ、NOW』について→こちら
posted by もりた | Comment(2) | TrackBack(0) | 音楽(08年)
この記事へのコメント
こんばんは。
お久しぶりです。
今回はチケット手に入ったのですね。
わたしは行けませんでしたが、読ませていただいただけで行ったような気持ちになれました。

目が合って良かったですね。
わたしは、未だにそんな体験はしたことがありません。
Posted by at 2008年09月08日 21:09
綾さん、おひさしぶりです。

スタンド席でしたが、けっこう前のほうだったので、すごく近くまでやって来てくれました。実物で見ると、ほんとうにみんなスタイルいいですねえ。うっとりいたしました。
そんなに行くの遅くなかったのですが、グッズがほとんど売り切れてしまっていたことだけが心残りです。
Posted by もりた at 2008年09月09日 18:14
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