ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2005年12月09日
 香取センパイ 9 (9)

 余談から入るが、近所の本屋に行ったら平積みになっていた。微妙に認知度が上がっているのかしら。AMAZONに画像も出るようになったしな。そういえば高橋ヒロシの『クローズ』だって、最初から大人気というわけではなかった。秋好賢一の『香取センパイ』も、とうとう9巻目である。玉水高校の麻生と並び、界隈の不良たちに一目置かれる柳を倒したことにより、ついにその強さにスポットライトがあたった香取であったが、しかし、それは最強の不良決定戦に自動的に組み込まれることでもあった。そして、ついに姿を現す西京工業のトップ倍賞、その強さを目撃したガチャピンは言葉を失う。というか、倍賞つええ。伝説の拳法の使い手レベルである。未だ香取とは相まみえないけれども、たしかに街中の不良が一目置くのがわかるってなもんだ。と、ふつうならば、ここでシリアスなほうに展開がどんどん引っ張られそうなものだが、『香取センパイ』の場合、そうはならないのはさすがである。おもしろポイントは、やはり香取セッティングの合コンにおける、ガチャピンの不幸だろう。〈女は男らしい男が好きで その男らしさはヤンキーらしさだと取り違えている男〉島津の再登場が笑える。いや、笑えるのはその島津と合コン相手の女子たちに対する、香取の心遣いのなさである。なんで、この人はこんなに傍若無人なのだろうか。ここらへんの明るさは、たとえば高橋ヒロシや、その系統のヤンキー・マンガ家たちが、女子供と大人を作品世界から排除することで、逆に閉塞感を作り出してしまっているのとは、まったくもって違う手つきから生まれている。そして、そこが、いい。気になるのは、この巻で、香取は髪をずっと下ろしたままだということだ。トレード・マークである猪木スタイルではない。気が抜けているのである。とはいえ、それは麻生と、中学時代の連れである三国の激闘を目の当たりにすることで、一気に目覚める。〈何でもねーよ!!〉と吐き捨てる視線は鋭い。これまでのなかで、一番シリアスな香取センパイの姿は、ここに収められているのだった。燃えた。

 8巻についての文章→こちら
 7巻についての文章→こちら
 6巻についての文章→こちら
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ。
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