ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2005年12月09日
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 これぞ、これこそが、ヘヴィ・ロックの、いや、ハード・ロックの力瘤だろう。HERMANO初となるライヴ盤『LIVE AT W2』である。クレジットをみると、セカンド作『DARE I SAY…』リリースにともなう、「ANGRY AMERICAN」ツアーの行われた昨年、つまり04年の12月4日の公演を録音したもののようである。それが一年後の今、ついにパッケージングして届けられたというわけだ。これがかなり決まっている。音質もなかなか良好で、演奏のシーンを鮮明に切り出している。サウンドそのものの重たさ、迫力ということであれば、じつはオリジナル・アルバムのほうが、圧倒的ではあるのだけれども、そのかわりに、生々しいエネルギーと強靱にはねるグルーヴが随所に代入されており、楽曲をただ再現したのではない、その空間内において、気を練り込むようにして、あらためて作り出している感じだ。9曲目でAC/DCのカヴァー「TNT」を披露しているが、最初の一音からして、他バンドとの基礎体力の違いを、まざまざと思い知らされる。ギターのはじくリフの、その屈強さに、ドラムもベースも追従し、みごと競っていることによって、それは実証されている。ただし惜しむらくは、といっても、それはそれで贅沢な悩みではあるのだけれども、ジョン・ガルシアのヴォーカルが、ハンサム過ぎるのである。「TNT」に限った話ではない。全編に渡り、彼の声は、よく伸び、きれいに通り、熱をしっかりと伝わらせ、ふつうに巧い、とくにスローでややブルーズな「MY BOY」で披露される男前さ加減には惚れる、また激しく疾駆する「QUITE FUCKED」においてさえも、「ゴーマザファッカマザファックァッゴウ!」という破竹のコーラスを、勢いに任せ叫ぶのではなくて、艶やかに歌いこなしている、とてもとても二枚目に聴こえる。その一線級のシンガーであることが、ストレートに出る凄みを、すこし、削いでしまっている。もちろん、それはあらかじめ言ったように、過分に贅沢な悩みに違いない。なぜならば、その声でもって「カモン」などといわれれば、即座にハートに火が入るのを感じるだろう。気合いが点る。元KYUSSというキャリアを問えば、個人的にはQUEENS OF THE STONE AGEよりもなぜか感情移入を催しがちなHERMANOであるが、その本質が、骨太の、岩をも砕く最硬度なロックン・ロールであることをかっちりと示した、かっこういい内容だ。超燃えソング「ANGRY AMERICAN」をプレイしていないことが、唯一のマイナス・ポイントであるけれど、それでも余計な曲の入っていないという事態がすごいではないか。

 バンドのオフィシャル・サイト→こちら(音出ます)

 ミスナビさんところのレビューがジョン・ガルシアに詳しいのでそちらも併せてチェックしてください→こちら
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