ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2008年07月29日
 コンクァー~征服~ −CD+DVDスペシャル・エディション−

 マックス・カヴァレラからかつての神通力が失われてしまって久しい。それは残念なことであるし、しかし仕方のないことだとも思う。他の同世代や同時代のアーティストたちを見ればわかるとおり、90年代のインスピレーションなど、すでに遠い昔のことなのだ。すくなくともSOULFLY(ソウル・フライ)に関しては、02年に発表されたサード・アルバムの『3』以降、微妙の一線を決して越えることのないアルバムしかつくられていない。今年リリースされたCAVALERA CONSPIRACY名義の『INFLIKTED』は、実弟であるイゴール・カヴァレラと再び組んだことで、もしやSEPALTURA時代の再来を期待させたが、がっかりしたことに、やはり微妙の一線を越えるものではなかった。いかにもモダン・ヘヴィな曲調をベースとし、マーク・リッゾのテクニカルなギター・プレイを大々的にアピールした内容は、ドラマティックといえば、まあそのとおりなんだろうけれども、こう、アイディアとしてはべつにすぐれているわけでもなしに、空々しく響き渡るばっかりだったんだよね。ここまでくるとさすがに白けるもので、結局のところ、このSOULFLYにとって通算6作目となるアルバム『CONQUER(コンクァー〜征服〜)』もたいしたことあるまい、と、じっさいに聴く前は踏んでいたのであったが、しかし、意外にもアドレナリンが、かっ、とサージする場面のすくなくはないことに、おどろき、逆に戸惑ってしまった次第である。正直をいってしまえば、音楽的なポテンシャルの高いこぶりっこしているアルバムの後半は、やや怠い。が、冒頭を飾る「BLOOD FIRE WAR HATE」と続く2曲目「UNLEASH」の、ごり押してくるさまのたまらない調子は、かなりつよく、こちらの胸ぐらを掴む。パーカッションを多用しての民族音楽ふうアプローチは、以前よりすでに薄まりつつあるが、そうであるならば、せめてこれぐらいアタックのきいたサウンドをやって欲しい、というポイントをきっちりフォローしている。さらに白眉なのは4曲目の「WARMAGEDDON」であろう。ずっしりとスローなグルーヴで立ち上がり、不穏さをキープするテンポが、ぶっきらぼうなヴォーカルが入ってくるのにならって、うるさく跳ね上がる。その段階をしばらく経たのち、スラッシュ・メタルよろしく急加速していくあたり、ここである、ここがたいへんかっこうよく決まっている。マーク・リッゾのギターはCAVALERA CONSPIRACYのときと同様に、やたら早弾いてはいるが、それがこちらではミスマッチとならず、楽曲のスピードとの見事な融和を果たしており、カタルシスを倍加させる。ボーナス・トラック扱いの12曲目「MYPATH」にも、鉄腕でねじ伏せ、叩きつける勢いがある。これを聴くかぎり、マックス・カヴァレラのこと、まだもうちょっと、信じていいのかもしれない。

 バンドのオフィシャル・サイト→こちら
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽(08年)
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