ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2008年06月15日
 気取ったイケメン坊ちゃんのトラウマもしくは罪悪感というのは、こうした少女向けのマンガにおけるレパートリーの一つだが、酒井まゆの『ロッキン★ヘブン』も、ようやく7巻で、今まで謎めかせられてきた藍の持っている傷が明かされる。藍と別れた紗和に、アイドルの晴希がちょっかいを出してくるというのは、まあ予想どおりの動きではあるけれど、どうやら次巻で完結であるらしく、この噛ませ犬的な展開を起爆剤とし、恋愛の面ばかりではなくて、家族の関係性や学校生活のドラマにかかる部分も、一気に収束させようとしているみたいだ。正直な話、ヒロインである紗和のチャーミングさが、物語がスタートした当初に比べると、ずいぶん目減りしていて、それはつまり、どんなに突飛で素敵な女の子も恋をすると普通になってしまうことの表現なのかな、と、無理やりな解釈を加えなければ納得のいかなくなっているのにともない、作品は凡庸な印象をつよめてしまっているが、最後にもう一回ぐらい、紗和が凛としたところを見せ、全体をブライトに輝かせてくれればいいよね。いずれにせよ、ここでは紗和が、というより、紗和の母親が〈私は世の中には幸せが似合う人間と 似合わない人間がいて ずっと それは自分にはどうしようもない事だと思ってた でも違ったの 幸せの限界を決めるのは自分なの〉と、迷い悩む藍に向かいアドヴァイスする言葉によって、かろうじてではあるけれど、クライマックスの前兆であり感動的であるようなモーメントがつくり出されている。

 6巻について→こちら
 4巻について→こちら
 3巻について→こちら
 2巻について→こちら
 1巻について→こちら
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ(08年)
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