ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2008年06月11日
 いかんせん前作が佐木飛朗斗と組んだ『[R-16]』であり、新しい連載先が少年画報社の『ヤングキング』なうえ、主人公がヤンキーだから、という理由で誤解されてしまうそうだが、桑原真也の『ラセンバナ 螺旋花』は、この1巻を読むかぎり、『0リー打越くん!!』の終盤やその後の『TO-mA』の展開に近しい、つまり、穏便にハイスクール・ライフを送っていたはずの青年が不条理で残酷な世界観に巻き込まれてゆくていの、エロティックなヴァイオレンスだといえる。もっとも、登場人物たちの造形が、『0リー打越くん!!』や『TO-mA』のようなオタク向けの類型ではなく、不良性の濃く課せられたものであるのは、やはりヤンキー・マンガを手がけた経験によっているのだろう。姉を怪我させてしまった負い目からケンカをやめた剣春(はばきはる)の携帯電話に奇妙なメールが届くようになって数日後、彼の周囲の人間に「鬼道」と名乗る集団の悪意が降りかかる。「鬼道」を率いる鬼道逞馬が春を付け狙う理由はいったい何なのか。〈オレの目的は「鬼の血脈」を探し出して――「狩る」〉ことだと彼は言う。さらわれた姉を救おうとする春がピンチのとき、かつての親友であったリョオが突如姿を現し、共同戦線を申し入れた。設定を借りている半村良の小説『妖星伝』を読んだときがないので、くわしくはわからないけれど、どうやらここから伝奇的なアクションが繰り広げられていくみたいである。興味深いのは、現段階における話だが、学校という領域の外に出ることはなく、校内にとどまり、物語が描かれていることで、この点においても、学校の外へぐんぐんと舞台を拡げていった『R-16』より、学校そのものが重要な舞台装置であった『0リー打越くん!!』や『TO-mA』のほうに性格の近い作品であるふうに思う。以前にも書いたが、個人的にこの路線はうれしい。

 『[R-16]』(原作・佐木飛朗斗)12巻について→こちら
posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ(08年)
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