ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2016年09月27日
 Shape You Took Before the Ache

 確かに、セカンド・アルバムの『PALE LIGHT』(2014年)にも耽美的なメロディが屹立し、はっとさせられるような場面はあった。が、それはあくまでもアクセントのレベルに止まっていたように思う。しかし、どうだ。カオティックでもあり、エネルギッシュでもあり、ゴリゴリとしたハードコアを横溢させていたファースト・アルバムの『BREACH FALSE MINDS』(2012年)をバンドの素としてイメージしていると、一気にDEFTONES化が進んだな、といった驚きを受けてしまう。カナダはオンタリオ州キッチナー出身の4人組、EXALTのサード・アルバムが『THE SHAPE YOU TOOK BEFORE THE ACHE』(2016年)である。

 DEFTONES化と述べたけれど、それは耽美的なメロディやアンビエンスが強く出てきたということであって、アグレッシヴなアプローチのみによって指示されるのとは異なったエモーションが色濃くなったということでもある。ストロング・スタイルの演奏をキープしたまま、新しい文法を得、以前にも増してサウンドに奥行きが生まれている。再び他のバンドを引き合いに出すなら、CONVERGEとNEUROSISとDEFTONESをトライアングルにし、それらを中心から参照していったかのような奥行きである。これを是とはしない向きもあろう。だが、EXALTは明らかに次の段階に達した。飛躍を感じられる。

 不穏なノイズとヘヴィなグルーヴとが息苦しい1曲目の「SACRIFICE TO PURIFY」やリズムにスラッジを思わせる圧がかかった6曲目の「LEAVE THEM ALL BEHIND」、どうしたってDEFTONES風と喩えたくなるギターやコーラスが聴こえる7曲目の「WORSHIP」などに顕著な通り、ミドルやスローのテンポに、アルバムのカラーは左右されている。他方、SLAYERの「RAINING BLOOD」を彷彿とさせるフレーズが唐突に飛び出てくる2曲目の「UNDERTOW」や続く3曲目の「MARTYR ALONE」などの疾走するナンバーにおいては、アングリーであるようなテンションがパワフルに放たれていく。

 アコースティックな小品である5曲目の「ACHE」やレクイエムにも似た9曲目の「SHAPE」におけるパセティックな響きは、もちろん、楽曲のタイトルとアルバムのタイトルとが符合しているように『THE SHAPE YOU TOOK BEFORE THE ACHE』へとコンセプチュアルな印象を与えるものである。そして、ラスト・ナンバーにあたる11曲目の「I DOVE INTO THE SUN」には、アルバムの全景が集約されているみたいだ。アップとダウンとが激しいダイナミズムのなか、ヴォーカルは、ときに叫び、ときに囁き、情念を経由することでしか見られない世界をたゆたう。

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2016年09月17日
 Uxo

 もはやアメリカン・アンダーグラウンドの重鎮といって差し支えがないだろうね、であるUNSANEのクリス・スペンサーとTODAY IS THE DAYのスティーヴ・オースティンによって結成されたUXOは、つまり、そうした意味でスーパー・グループと呼べるわけなのだけれど、実際、セルフ・タイトルのデビュー作は、彼らのネーム・ヴァリューに見合ったものになっていると思う。いや、正直、近年のTODAY IS THE DAYをUNSANEに寄せていったかのようなスタイルは、足し算である以上に強烈なインパクトではないかもしれない。が、しかし、ダイナミズムをじりじりと抑制し、ぎりぎりまで研ぎ澄まされた演奏や、喉を振り絞り、悲痛な叫びをツインで入れてくるヴォーカルとが、ヘヴィなブルーズにも聴こえてくるサウンドは、意外性とは異なったレベルで十分に魅了される質を備えているのだ。ミドルからスローのテンポを中心にした楽曲は、うねりにたっぷりの息苦しさを湛えながら、それでいて窒息を寸前で免れるのに似たカタルシスを含んでいる。5曲目の「EVERYTHING'S A MISTAKE」が代表的であろう。ポスト・ロックの文脈を射程圏内にした構築性に幽玄さが現れている一方、いかにもジャンク・ロックを経由した荒削りのノイズにぴりぴりとした緊張と焦燥とが加わっていく。アングリーでいて、ペシミスティック、無愛想でいて、儚い、美しい、というアンビバレントなイメージに飲み込まれてしまう。

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2016年09月13日
 Poisonous Legacy [Analog]

 巷ではネオクラストやブラッケンド・ハードコアとされるような系統に分類できるであろう。ギリシアはアテネ出身の5人組、SARABANTEのセカンド・アルバム『POISONOUS LEGACY』である。2011年の前作『REMNANTS』と同様、GOATSNAKEやSUNN O)))での活動で知られるグレッグ・アンダーソンのレーベル、SOUTHERN LORDからのタイトルとなった。ドスの効いた声で吠えるヴォーカル、鋭いリフに扇情的なフレーズを織り込んでいくギター、スピードを出しながらも図太いグルーヴをキープし続けるベースとドラムのリズム、所謂Dビートの勢いとが一体となり、フラストレーションを直接かち割るほどの轟きを召還している。1曲目の「ALL THAT REMAINED」からして、モッシュ・ピットの磁界に相応しいサウンドだ。が、他方で特筆すべきは、インタールード風に置かれた8曲目の「FORWARNED EPILOGUE」を経、アルバムの終盤部を飾っているナンバーではないかと思う。ミドル・テンポよりも少し上の速度を中盤で疾走の域へとアップさせる9曲目の「MNEME'S AMAUROSIS」をはじめ、展開のレベルにおいて、強くドラマティックだと感じ取れる楽曲が並んでいるのである。エモさが増しているといっても良い。今日のセンスで見るなら、エモい、という印象は、チャラい、という印象に置き換え可能な場合がある。しかし、ここではあくまでも叙情の「叙」を担う。エモーションの発露を意味しているのだと考えられたい。ひたすらヴァイオレントなイメージを生じさせているにもかかわらず、それがデリケートな資質と背中合わせでもあるかのように響いているのであった。

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