ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2016年02月02日
 Domovoyd

 フィンランド出身のDOMOVOYDが昨年発表したセカンド・アルバムは、バンド名をそのまま冠した『DOMOVOYD』である。セルフ・タイトルであることが自信の表れなのかどうかは知らないけれど、ファースト・アルバムだった2013年の『OH SENSIBILITY』に比べ、さらにマニアックであるようなニュアンスが強まっている。ぐしゃぐしゃにひずんだディストーション、ヘヴィなリフとうねり、ジャム・セッションに似、ピークを引き延ばしていくアンサンブル等々により、もたらされるトリップは、なるほど、サイケデリック・ドゥームと呼ばれるスタイルに恥じないものだろう。それが『OH SENSIBILITY』では、演奏のレベルでも、音質のレベルでも、ダイナミズムを激しくしたサウンドのなかに囲われていた印象であったのに対し、『DOMOVOYD』では、全体のバランスが楽曲の輪郭のぼやける方向へとシフトされている。ダイナミズムは、きちんとある。が、そうである以上に、アシッドでいて、スペーシーな触感の何よりも前に出た作りとなっているのだ。掴みどころの乏しくなったせいで、こけおどしの度合いが高まったと解釈されそうなきらいもある。しかし、17分に及ぶ1曲目の「DOMOVOYAGE」や18分に及ぶラスト・ナンバーの「VIVID INSANITY」に顕著な通り、じっとじらされ続けるかのようなテンションの果てに、やけくそのヴォーカルとフィードバックのノイズとが紛れもない轟音として溢れてくる。その瞬間、その高揚、その絶頂のまばゆさには、あ、と息を飲まざるをえない。

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2016年02月01日
 Don't Deliver Us

 ああ、ドゥーム・メタルとガレージ・パンクの禍々しさ、騒々しいパートを一つのスタイルに合成してしまうという業の深き発想よ。実際、米ヴァージニア州ハーンドン出身のトリオ、SATAN'S SATYRSが2012年にリリースしたファースト・アルバム『WILD BEYOND BELIEF』の、とりわけ1曲目を飾った「SADIST 69」は素晴らしいインパクトであった。BLACK SABBATHやBLUE CHEER、BLACK FLAG等が引き合いに出されることが多いみたいだけれど、たとえば『PRE-ELECTRIC WIZARD 1989-1994』で聴かれるジャス・オボーンのキャリアをGUITAR WOLFのハチャメチャな音質とロウ・パワーとで再現したかのような破壊力を持っていたのだ。続く2014年のセカンド・アルバム『DIE SCREAMING』では、いくらか整合性が増し、ヴィンテージ・タイプのドゥーム・メタルに近いバンドのアンサンブルとグルーヴをアピールしてみせている。そして、この2015年のサード・アルバム『DON'T DELIVER US』は、正しく『DIE SCREAMING』の延長線上に位置するサウンドだと思う。ぶりぶりとしたヘヴィなファズは相変わらずなのだったが、楽曲と演奏のまとまりがよりはっきりとした分、ヘタウマなヴォーカルのキャッチーさが目立ってきた印象であって、これはBLACK SABBATHにおいてはオジー・オズボーンのメロディがある種のフックとなっているのと同じ意味である。確かに衝動を喚起する作用については『WILD BEYOND BELIEF』こそが抜群であり、その点を見るなら物足りなさはあるだろう。しかし、荒削りなチャーム・ポイントは充分に残っているし、もしかするとTY SEGALLあたりに匹敵しそうな(あるいは凌駕しうる)ローファイでサイケデリックでエネルギッシュなロックン・ロールが全開になっていることは疑うべくもない。

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