ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2015年12月06日
 BUCKLE UP AND SHOVE IT!

 会場は新大久保EARTHDOM、ELECTRIC EEL SHOCKが主催し、KING BROTHERSやGUITAR WOLFなどが登場したMURDERTRUCK TOUR JAPAN 2015の最終日(12月5日)を観た。これまでに何度となくライヴを観てきたものもあれば、初見のものもあったが、どのバンドもそれぞれのスタイルでロックン・ロールのマナーを貫きつつ、ガッツと白熱に溢れるようなパフォーマンスを繰り広げてくれ、燃えるしかねえのであった。そして、ヘッドライナーとしてオランダから招待されたPETER PAN SPEED ROCKだ。一部のファンやマニアにしたら、十数年待ったぞ、ということになるだろう。念願の初来日公演である。実際、トリオ編成とは思われぬ分厚い轟音のロックン・ロールが、何もかもを薙ぎ倒し、正しく爆走していく姿を目の当たりにし、うおおお。歓喜、歓喜の嵐が吹きすさぶ。

 ベテランに近いキャリアを築きながらも決して失われない初期衝動は、そのライヴのシーンを通じ、直に体験できたわけだけれど、もちろん、2014年にリリース(初めての日本盤が今年にリリース)された『BUCKLE UP & SHOVE IT!』にも満載であったことを忘れてはいけない。PETER PAN名義で1997年に発表されたファースト・アルバム以来、通算9枚目となるフル・アルバムである。しかし、枯れた味わいは、ほとんどない。ガレージ・パンクといおうかMOTORHEAD型のロックン・ロールといおうか。スピード、パワー、スピード、スピード、パワー、スピード、パワー、パワー、とにかくスピードとパワーをフルにし、けたたましく掻き鳴らされるサウンドは、サイコビリーやヘヴィ・メタルをも飲み込み、轟音以外の何ものでもない塊へと変化することで、最大のインパクトを発揮させている。1曲目の「GET YOU HIGH」からして既に耳をつんざくかのようなギターのリフが、非常に格好良く、鳴り響いているのだ。

 ギターのリフ、そして、暴れ馬を彷彿とさせるベースのラインとドラムのアタック、これらが三位一体となり、ぶっきらぼうにしゃがれたヴォーカルが乗る。PETER PAN SPEED ROCKにとっては不変のスタイルであって、THE DAMNEDのナンバーをカヴァーした9曲目の「NEW ROSE」においても徹底されている。GUNS N' ROSESをはじめ、数々のバンドがカヴァーしてきた楽曲である。元々がアグレッシヴに攻めてくる楽曲だが、数倍増しの迫力をともなっている点に注目されたい。カヴァー・アルバムとして02年にリリースされた『SPEEDROCK CHARTBUSTERS VOL.1』でも顕著であった通り、楽曲の側にアイデンティティを持っていかれるのではなく、バンドの側が完璧にイニシアティヴを握っているのだ。

 一切の妥協がないほどのスピードとパワーだけが実現しうる領域のあることをまざまざと見せつける。PETER PAN SPEED ROCKの作品はどれもそうなのだが(ああ、そして、ライヴもそうだったが)握り拳で迎え撃ちたくなるようなロックン・ロールの魅力をたっぷりにしている。

 バンドのオフィシャル・サイト→こちら
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