ときめいて死ね!!
いいや、戦って死のう。
2010年03月25日
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 ままならないことばっかりの世界に対して怒りのようにも悲しいようにも思う。はたしてその感情を何と呼べばよかったのか。苛立ち、の一言で事足りるのかもしれない。が、たしかな名前を与えず、抽象的なままするどく、アグレッシヴな音のイメージのなかに磨き上げ、一撃、耳に突き刺さってくると鼓膜の奥へまで切って入り、脳のどこかに達したところで、フラストレーションを追いやるほど、アドレナリンをサージさせる。米テネシー州ナッシュビル出身のトリオ、DOLCIMが昨年にリリースしたファースト・フル・アルバム『GUILLOTINE RIDE』で聴かせるのは、まさしくそんなサウンドであった。すなわち、かっこうよくて痺れるよ、ということである。前身のCEASE UPON THE CAPITOLも、方向性は等しく、なかなかにいけていたけれど、いやもしかすればそこにあった衝撃を上回りそうな勢いの、繊細でいて豪快なシュプールを描く。叫び、のたうち、急展開のうねりを持った楽曲がスピーディに解き放たれる様子は、要するに激情と喩えられるハードコアの路線ではあるが、とにかく、ソリッド、ソリッド、ソリッドに躍動のレンジを広げていき、随所に儚くも美しいタッチを滑り込ませながら、そのすべてが心地好い熱狂を完成させる演奏の、とくにダイナミズムに秀で、圧倒されるものがある。ひたすらテンションが高いのはいうまでもない。轟きのぎゃんぎゃん叩きつけられる向こう、華麗でいてフックのつよいメロディがひとしきり、苦悶を地上へ地上へと洗い流す雨のごとく降り注いでいるのも、ぐらっと心揺さぶる。1曲目の「ALVIS HAS LEFT THE BUILDING」から躊躇わずに前面化される超スペクタクル、静寂を中盤に持った8曲目の「SENIOR CITIZEN'S KANE」はノイズの絶景を描き出す。11曲目のラスト・ナンバー「#7」まで、ああ、全編がクライマックスとはこれのことかよ。それがたとえ怒りであれ悲しみであれ、剥き出しの衝動、迫力に充ち満ち、この世界の理不尽さに耐えなければならないことの憂鬱をいっさい、飲み尽くす。

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posted by もりた | Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽(2010年)